為替と原価管理

私がある会社の工場で働いていた当時1米ドルは110円位だった。

当時の工場長は『1ドル105円が原価管理上利益を出せる限界』と言っていた。

今は1米ドル70円台だ。

原価要素、部品や加工等の多くを国内で調達していて、製品の輸出もそこそこやっている、又は輸入品との競争に立たされている会社にとって現在は今までで一番厳しい環境にいると言わざるを得ない。

それに対して例えば輸入品を国内で売り捌く会社には最良の環境である。

コスト削減等努力しなくても円高で安く仕入れた輸入品を『円高還元』てな宣伝文句で為替差益の一部を還元するだけで利益はどんどん上がってしまうのだ。

彼等にしてみれば『今が稼ぎ時』とばかり販売促進に勤しんでいる事だろう。

この様に、多くの業界では為替は原価管理に大きな影響を与える。

それでも、サービス系統の業種で、海外との価格競争にも関係ないものは少なからずある。

例えば純国産の民芸品を国内でのみ売っている業種はこれに当る。

それでも全く関係ない、という訳にはいかない。

多くの輸入品が値下がりする中で、『純国産ですから値下げ出来ません』と言っても消費者が値下げを要求するからだ。

消費者の多くは工場勤めで不景気の為に収入も若干下がっており、価格据え置きは嬉しくないのだ。

と言う事で原価管理に為替は一切影響ない、と言い切れる業種は非常に少なくなった。

それ程日本全体が世界経済の一部分として動いている事の証だろうか。

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